「あのね、いつか話したいことがあるんだけど。」
久しぶりに行った実家で母が急に言い出した。
「え~なになに?いいこと?悪いこと?」
そう気軽に返したけれど、
「うーん」と言ったまま。
でも表情に変化がなかったから、悪いことじゃないのかな、と思っていたけれど、
なんと!
実父、肝臓がんらしい!
肝臓がんになった家族のキモチ、治療などについて少しずつ記していきますね。
いきなりのがん告知
もともと実父は仕事の関係でアスベスト肺になっており、年に1回病院で肺の検査をしていました。
コロナ禍ではありましたが、今年もまた同じように病院に検査に行ったら、なんと!
肝臓に影があった…。らしい
しかもわかっているだけで2個。
1個はかなり大きく、すぐに詳しい検査と手術が必要と言われてしまいました…。
その場で告知状態です。
そう、母にとってみれば
娘→乳がん
夫→肝臓がん
…になってしまった、というわけです💦
お酒を飲んでいないのに?
肺がんになることは想定していたのですが、
まさかの肝臓がん。
家族皆が正直寝耳に水状態でした。
そう父は一滴もお酒が飲めない人で、お酒とは無縁だったからです。
なぜ肝臓がんになったのか。
その理由として考えられるのが「糖尿病」です。
父は糖尿病を患っていて、月に1回ほど内科で検査をしていました。
血液検査も定期的にしており、肝臓関係の数値に異常があったものの薬の影響と判断され、そのままの状態で来てしまった、という訳です。
糖尿病になると様々な疾患を抱えるとは聞いていたものの、まさかの肝臓がんとは…。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)とは
担当してくださった先生のお話では、

非アルコール性脂肪性肝炎、通称NASHが影響しています。
…とのことでした。
NASH(ナッシュ)とは
非アルコール性脂肪肝炎は、ほとんど飲酒をしていないにも関わらず、アルコール性肝障害に似た、肝臓へ脂肪が蓄積し炎症が起こる病態です。肥満や糖尿病などの生活習慣病を合併する頻度が高く、治療しない場合には、肝硬変や肝がんなど、さらに重い疾患に進展していく場合もあります。
参考:よくわかる肝臓の病気
つまり、糖尿病から非アルコール性脂肪肝炎となり、肝がんになってしまった、ということになります。
糖尿病はさほどひどくなっておらず、投薬治療などをしており管理されていたものの、やはり肝がんになってしまったということですね。

私も高脂血症だからな…。
リスクがある…。
母はきっと自分を責めた
今や2人に1人ががんになる時代。
さらに父は70歳を超えており、いつ何が起きてもおかしくない年齢でもあります。
とはいえ娘も夫もがんとなり、母としてはやりきれない思いがあったはず。
娘の前では気丈にふるまっていても、
「この頃夜よく眠れないんだ…」と話すこともよくあり、
その様子からきっと自分を責めているんだろうな、と感じました。
そして父も。
きっと自分を責めている。
がんって本当にいろいろと考えさせられます。
誰のせいでもないのに、ね…。
あの父が泣いた
定期検査で見つかった肝臓の影は、その後詳しい検査で肝がんステージ2と判明し、具体的に手術の日が設定されました。
<手術内容>
* 糖尿病の薬を管理することから、手術の数日前から入院する
* 現段階で2個あるが、そのうち1個はいまいち場所が特定されないので1個のみをとる
* 経過が良ければ術後1週間ほどで退院
私が父から聞いたのは上記のことのみです。(コロナ禍で説明を受ける人数にも制限があった…)
父も母もがんの心構え、のようなものはある程度できていて、
さほどパニックにはなっていませんでしたが、父はこっそり私に泣きながら伝えてきました。
「入院している間、〇〇さん(母の名前)を頼むね。寂しがり屋だから」…と。
私の記憶の中では、父が泣いたのは父の弟が不慮の事故で亡くなった時ぐらいです。
あっけらかんとしている父が泣いた…。
その気持ち、同じがんの経験者として少しはわかっていたから、努めて明るく
「大丈夫だよ。任せておいて!」と伝えました。
大丈夫、大丈夫…と、
自分にも言い聞かせていたのかもしれません。
いよいよ入院
コロナ禍ということもあり、入院するにあたって様々な制約がありました。
まず面会は禁止。
母でさえ直接会うことはできません。
着替えなどは持っていく時間が決まっているようで、その時間にナースステーションに届けるようです。
ただし手術の時のみ2人だけ待合室にいることができる、とのことでした。
面会ができないというのは、本人にとっても家族にとっても辛いですね。
母は、
「楽でいいわ」
なんて言ってましたが…。
まあ、昔と違って様々なツールがあり退屈することはないのでしょうけれど…。
それにしても病院関係者の方の負担が多少増えるのは事実であり、頭が下がる思いです。
その2では手術に関して記していきます。