トリネガ最後の抗がん剤、無治療になる不安

トリネガ体験談

トリプルネガティブ。乳がんの方の間では「トリネガ」と言われています。

この「トリネガ」は、ホルモンに関係しないタイプのため、基本的に抗がん剤のみの治療となり、一通り抗がん剤の治療が終わると、【無治療】となります。

今回はTC4回目の様子と無治療について記していきます。

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予定では抗がん剤は4回のみ

私の場合、特殊型(乳がん特殊型だった検査結果)ということもあり、抗がん剤は4回の予定です。

さすがに4回目となるとどの日にちにどのような症状が出てくるのかを把握することができ、

対処の仕方もわかってきます。

ですが、4回目は特に体がだるく感じました。手書きで日記をつけていたのですが、そのボールペンを持つのも辛くて寝てばかりいましたね。

精神的に追い込まれてきたのはわかっていたのですが、

その一つの原因は、

「無治療」

という現実。

これを受け入れるのに、ものすごい時間がかかりました。

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TC4回目の後に、看護師さんと面談

予定されていたTC4回目の後、無治療となるため看護師さんとの面談がありました。

いつも、平気な顔をして抗がん剤の治療や診察をしていたのですが、

「何か不安なことはありますか?」

と聞かれ、急に感情がこみ上げてきたんです。

「無治療となってしまうことが、不安です…」

この一言を言うのに、涙が出て涙が出て、時間がかかりました。

この時、気が付いたんですよね。

『ガマンしていた』ということに。

家族に迷惑をかけたくないから、『頑張っていた』ことに。

そんな様子を見て、看護師さんが静かに言いました。

誰でもそうであるし、再発するかも、とオロオロしながら生活をするより、
毎日を大切に生きて、再発するかもと考えずに生活をしたほうが、免疫力もアップするんですよ。
と。
この時は、ただ聞いているだけでした。
心に響いていなかったかな。今ならわかるんですけれど。

がんを受け入れるのに、時間がかかる

私の場合転移をしていないものの、転移をしたら確立した治療法がない、唯一の抗がん剤は効果が乏しい、と言われていたので、毎日が死と向かい合っている感じがしていました。

今見ている景色は、来年見られないかもしれない。

そう思うと、家計簿さえつけられず、でも無駄に過ごしたくないと思いつつ、その葛藤の中で毎日を過ごしていました。

その当時の日記にこう記されています。

新聞にさ、80歳を過ぎたおばあちゃんの投稿があって、おじいちゃんともっといろいろな所へ行きたかった、って書いてあったよ。
ひねくれ者の私は、いいじゃん80歳までずっと一緒にいられたんだから、って思った。
80歳だよ?!私なんてあとどれ位?!
神様は不平等すぎる。
ものすごい、ひねくれていますよね。
逆に、今の若い方の方が、現実をちゃんと受け入れて前向きに過ごしています。
本当に、人間としてできていないなぁ‥と思います。
でも、
どんなに前向きの人でも、
自分が「がん」であることを忘れることはないんです。
この世の中、いつ何時何が起こるかわからない。
自分よりも、家族の方が大変になることもあるかもしれない。
現実に、私が乳がんの手術をする前、ママ友が交通事故で突然亡くなりました。
そう頭でわかっていても、
それを消化するのに、時間がかかるんですよね。
私の場合、看護師さんの言葉がスッと心に入ったのは、ラストの抗がん剤が終了して半年後でした。
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乳がんの抗がん剤、TC4回目の後の体の変化

抗がん剤であるドセタキセル&エンドキサンの治療は、無事4回を終えることができました。

体の変化

* 生理は完全に止まった
* 髪の毛はまだ抜けている
* 体中の毛も抜けている
* だるさが増している
* 爪は紫色に変色したままの状態
* 下半身がドン!と重い感じがする
* 体がむくんで体重が増加した
抗がん剤は、治療にとって必要なものだと私は考えていますが、
体には確実に影響を及ぼします。
髪の毛は数えるぐらいしかないのに、さらに抜けるのか!と驚きました。
鼻毛も腕の毛も抜けていて、ツルツルとした感じでしたね。
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がんは一人で抱え込まない

2013年に報告された「がん体験者の悩みや負担等の実態調査」では、

1番悩んだときに誰かに相談をしたか、という項目では53.5%の人が相談をしています

そして相談相手は、家族や親せきが69.1%と圧倒的に高く、次いで友人や知人の22.1%となっています。(複数回答)

相談の中には、話を聞いてもらったり自分の考えを伝えた、ということも含まれていますが、誰かに相談をする人が約半数だけというのは、多いのか少ないのか、微妙なところでもありますね。

具体的な相談内容

1位:病気や治療のこと
2位:自分の不安や思いを聴いてもらう
3位:症状や機能障害に関する情報と具体的な対処方法

参考:がん体験者の悩みや負担等の実態調査

私の場合、患者会に参加をしました。

同じ病気の方の話を聞いていると、不思議と心が落ち着いたのを覚えています。

がんは不治の病、としてとらえられている面もあるので、誰かに気軽に話をできない辛さもあります。

ですが、誰かと思いを共有する、というのは心を安定させるためにも、必要なことかもしれません。
一人で抱え込まないで、気軽に話ができる…そんな空間がもっと身近になればいいな、と感じています。