「悪いものだと思っています」とやんわり告知を受け、いよいよ世界が動き出した感じがしました。検査も本格的になり、骨シンチグラフィとCTの検査を相次いで行うことに。そしてCT検査の次の日に正式に告知をされ、手術内容や手術日も決定しました。全摘出同時再建です。
乳がんに関する体験や日々、考えていたことを思い出しながら書いてます。少しでもお役にたてれば、と思っています。
乳がんであることを一番先に伝えたのは
先生に「悪いものだと思っています」と言われた日。どうしよう、という思いのまま車に乗り込みました。まず、夫に言わなくちゃ。でも、言葉にしたらきっと泣いてしまう…。
そのためメールで知らせました。
「やっぱり乳がんだったよ」
いつもは折り返し連絡をくれるのですが、その日は違っていました。待っても待っても返事はなし。わかってます。なんて言っていいのかわからないんですよね。
家に帰ってきて、「わかったよ」とだけ言いました。
この空気感。何とも言えないものがあるんです。でも、本当に辛かったのは自分の親に伝えたときでしたね。
乳がん・前回の検査で受けた組織診の様子
前回、診察室にて受けた組織診の検査は麻酔は痛かったものの、検査自体は痛くなかったです。ですが、家に帰ってきてお風呂に入ると青あざができているのがわかりました。そして左側がなんとなく痛いんです。重い感じがするというか、違和感があるというか。
やっと3日目に青あざが黄色くなり、
5日目には痛さも和らいできました。
気持ち的な問題も大きいのかもしれませんが、微熱程度に熱が出ましたね。
乳がんの検査1・骨シンチグラフィ
骨シンチグラフィは、特殊なものを使って骨の中に転移があるかどうか調べる検査です。薬を点滴で入れるのですが、全身に回るまで少し時間がかかります。私の場合、午前中に点滴をしに行って一回自宅に帰り、2時間後再び病院で検査をしました。
CTやMRIのように寝ているだけなんですが、体すれすれまで機械が来るので、少し圧迫感がありましたね。
そして48時間は小さい子どものそばに行かないようにと言われました。
乳がんの検査2・CT検査
CTは造影剤を入れての撮影となります。そのため検査を行う6時間前から絶食となります。
その後、2時間前から水を300mlずつ飲むように言われます。計3回飲むのですが、検査の直前にも飲むように言われます。
主に肺に転移があるかどうかを見ます。このCT検査が一番苦手で、造影剤を入れると体がとても熱くなって嫌な感じになるんですよね。顔が特に火だるまのように熱くなってパンパンになる感じです。そしてその状態の中で息を吸って、止めてを繰り返すんです。
転移していなくちゃいいな、ということは考えられない状態でした。
乳がんの検査が終わってから告知までの日数
すべての結果が出たのは、あらたに大きな病院で調べてから10日後です。
この時は夫も休みを取ってくれて、一緒に病院に行きました。家族の方も一緒に来てほしいと言われていたからです。
「細胞診断報告書」という結果の紙をみて驚きました。
「先生、これってトリプルネガティブじゃないんですか?」
「そうです。勉強してきたんですね。このタイプはホルモン剤などは効きません。そして、そうですね。細胞の様子を見ると特殊型なのかもしれないな。」とおっしゃいました。
そこには、
PgR(-)
cerbb2(-)
Ki67;80-85%
と書かれていました。3つマイナスがあるので、「トリプルネガティブ」です。
さらに乳腺針生検の結果として、
metaplastic carcinoma(化生がん)が懸念されること。
などが書かれていました。
そしてその紙に、
腫瘍は2cmを超えている
リンパ節に2個転移がありそう
遠隔転移は今のところない
つまり、2Bと思われると先生が記しました。
ただ、
腫瘍が奥の方にあり、すでに大きいので温存手術は難しい。全摘出になるから自分のお腹の脂肪と血管を移植する腹直筋皮弁法を同時再建で行うのが良いのではないか。
と提案されました。
手術内容は 全摘出同時再建
自分でもいろいろと調べていたものの、さすがに「トリプルネガティブ」と聞いて、しかも特殊型と聞いて大変にショックを受けました。ですが、先生の話を聞いて、
「全摘手術をして、同時再建をします」
と即答をしました。
主人は何も言わず、私の意志を尊重してくれましたね。
術前に化学療法を行う方法もあったのですが、私の腫瘍は大きい。そして特殊型ともなれば、いつ転移をしてしまうかわからない、そういった考えがパッと思い浮かびました。
「悪いものは全部切ってしまえ!」という
考えがあったのも事実です。
乳がんの告知から手術までの日数は
告知の次の日に、病院内にある形成外科を受診しました。
乳腺外科と形成外科の先生が共通して手術ができるのは、1か月後。
同時再建をしなくても、1か月後と言われました。
そして、自分の気持ちとしてはあと1か月しかない、と思うよりも、
あと1か月もこの腫瘍をそのままにしておくのか、という不安の方が大きかったです。先生にそのことをお伝えすると1か月では、大きさはさほどかわらない、ということでした。
同時再建についての説明では、
腹直筋皮弁法を行う、というものでした。図を見ながら説明を受けましたが、最低でも6時間かかる手術で気軽に返事をしたものの、本当に良かったのか少し悩みましたね。
memo✐
乳房の全摘出にいろいろな考えはあるけれど
体の一部がなくなるということは、大事な問題です。
ですが、私の場合、女性としてという思いはあまりなくて、単純に
「長生きしなくちゃいけない」
という思いしかありませんでした。
そして知識があまりないがゆえに、悪いものは切ってしまえ、と思ったのかもしれません。
トリプルネガティブの場合は、術前に化学療法を行った方が良いなど、いろいろな意見や考えはあるかもしれませんが、私の場合、全摘出をして同時再建をすることに決めました。そしてその結果は今振り返ると良かったかな、と思っています。
他の人の考えや意見を聞きつつ、自分が納得できる方法をとることが、一番後悔しない道なのでは、と感じます。
↓トリネガはこのようなタイプです。