紹介状を持って乳腺外科のある病院に行きました。ただ単に、超音波検査をやるだけだと思ったら、行ったその日にかなりの数の検査をこなすことになり、半日近く病院にいることになったのです。
マンモグラフィはもちろんのこと、組織診や心電図も行い、告知をされる前に軽く告知をされた状態でした。今回は乳がん確定までの検査として、細胞診とマンモグラフィについて、そして自分の気持ちの変化について記していこうと思います。
前夜、乳がんについて一人調べた
どの病気でもそうですが、自分が病気になる前に得た知識と、自分が病気になってからの得た知識の内容はたとえ同じ知識であっても、感じ方が異なります。
癌になる前は、危機感というものはなく漠然と知識を入れた状態。
もうそうだ、と確信をしたときはその様々な情報や知識を頭の中に詰め込む状態、となります。いつもはさらりと流していたことも、「これは一体どういうことなのか」と突き詰め、一人落ち込むことも多いです。
乳がんには5つの組織型があります。
* 非浸潤性小葉がん
* 浸潤性乳管がん
* 特殊型がん
* パジェット病
この組織型からさらに枝分かれしていて、一概に乳がんと言ってもいろいろな種類があることがわかります。近年注目されている「トリプルネガティブ」というのは、組織型ではなくて、乳がんのタイプの一つです。
確定前の様々な検査
実際に超音波の検査が始まり、担当の先生にじっくり診てもらいました。
何度も何度も超音波を当てています。
そして、一言おっしゃいました。
「今日、検査をしていきましょう」
…雰囲気から察しました。
この日の検査内容
・ 血液検査
・ 検尿
・ 身長体重
・ 血圧
・ 心電図
・ 肺活量
・ マンモグラフィ
・ 胸部レントゲン
・ 針生検
病院では、一つの診察室ですべての検査が行われるのではなく、心電図はこちらの部屋、採血はこちら、と役割分担がされているので、結構歩きました。
次から次へと検査があるので、あれこれ考えている暇はなかったです。これらの検査は待ち時間も含めだいたい3時間ほどで終わりました。
マンモグラフィは確かに痛い
マンモグラフィは、痛い検査として知られています。検査上、どうしても板に挟まないといけないので、痛みが生じてしまうのはある程度仕方のないことです。
マンモグラフィ
この「ある程度の厚み」にするのには、* 乳腺が重なるのを少なくして、病変があるかどうかより見つけやすくする。
* エックス線の被ばく量を少なくする。
といった理由があります。生理前だと、乳腺がはっていてより痛く感じます。生理が終わったすぐ後に受ける方が痛みは少ないです。
こちらの病院では女性の技師の方が担当しており、きちんと写すことができるよう胸を上手にセットしてくれました。
私の場合、しこりがかなり大きくなっていたので、そのしこりを挟むのがとても大変でしたし、痛かったです。
痛いと思って構えてしまうとさらに痛くなるので、ゆっくりと呼吸をすることが大切。
そして、出産よりも痛くない、と暗示をかけることも大切です。
組織診は、診察室で行った
一通りの検査が終わり診察室に戻ってきましたが、ここで最後の検査、「組織診」がありました。
組織診
「生検」とも呼ばれていて、組織の一部を取りしこりがいったいどういった組織でできているかを調べます。
生検には、3つほど種類があり、*針生検
*マンモトーム生検
*外科的生検…などがあります。
私の場合は「針生検」を行いました。
乳房に麻酔をしてから行うんですけれど、麻酔がとても痛かったですね。涙が出るほど痛いんです。
3か所ほど「バチン!」という音がします。
検査後は痛みはありませんが、違和感があります。針生検の後は青くなりますが、3日ほどで黄色くなってきます。
先生は検査をしながら
「骨シンチグラフィとCTの検査の予約も入れましたからね。」と冷静におっしゃいました。
こうやって少しずつ現実を受け入れていくのか、なんて思っていましたね。
すべての結果が出ていないので、決して「がん」とは言わない
着替え後、マンモグラフィの画像を見せてもらいましたが、素人の私でもわかるぐらい白かったです。
「先生、11月の検査で5mmといわれていたんですけれど、こんなに大きくなるものなんですか?」と思わず聞いてしまいました。
先生は、
「もしそれが事実だったら、とても進行が早いですね。悪いものだとみているので検査をして考えていきましょう」と。
告知ですね。やんわりとした告知です。
でも、決してがんとは言わない。これは、まだしっかりとした結果(組織診の結果)が出ていないからです。
ここは、よくあるテレビドラマと違うところかもしれません。
検査を受けて徐々に今の自分を受け入れていく
そっかぁ、乳がんか。私、乳がんになっちゃったんだ。
組織診の時にそう思いました。
でも涙も出ないし、意外と冷静です。それどころではない、という気持ちもありました。
その後、別室で看護師さんとこれからのことを話し合いました。
これからの検査のこと、手術のこと、しこりが大きいので全摘出になるだろうということ、お金のこと…。もし「悪性」だったら、ということを仮定して話をするんです。
そしてこんな話をしていてもなぜか冷静で、笑っているんです、私。
でも、手帳にメモをしようとした時気が付きました。
手が震えて字が書けない…。
震えを抑えようと左手を添えるけれど、左手も震えて字が書けないんです。
でも、泣けないんです。
なんだか頭と体がかみ合っていないことがなんだかわかりました。
大丈夫と思っていても、ちっとも大丈夫じゃない。そう思ったそ瞬間、
どうしよう。
どう、みんなに伝えよう…。
より現実を、現実に起きていることを受け止めなくてはならないという思いになったのです。