乳がんには、いろいろな種類があるのをご存知ですか?
少し前にやっと「トリプルネガティブ」というタイプがあるということを、知った方も多いと思います。
乳がんは本当に奥が深くて、もっといろいろ分類されるんです。
私の場合は、懸念されていた通り、トリプルネガティブで、しかも「乳がん特殊型」でした。
今回は私の組織診断報告書をもとに、どのような治療を行っていくか決定したことなどをお伝えします。
乳がん、私の組織診断報告書とその見方
乳がんの手術をし、その約1か月後に具体的な検査結果がでました。
実際に手術をした細胞をより詳しく見て、今後の治療方針を改めて決めていきます。
退院後、約2週間ぶりに行った乳腺外科。まだ歩くのもやっとでしたし、車の運転もできなかったので、この日も主人に連れて行ってもらいました。
先生から提示された「組織診断報告書」には、前回よりも詳しく様々な情報が書かれています。
いろいろな情報が書かれていたので、どこをどう読んだらよいのかわからず、先生と一緒に順を追って見ていくスタイルになりました。
私の情報をまとめますと、
占拠部位 | 左C領域 |
大きさ 浸潤部 | 30×29 |
組織学的分類 | Metaplastic carcinoma |
組織学的波及度 | f,腫瘤外乳管内進展(+),リンパ管侵襲:ly0,静脈侵襲:v0 |
リンパ節転移 | pN0 |
TNM分類 | pT2N0M0、Grade3、StageⅡA、 |
Receptor status | ER(0%),PgR(0%),HER2(-) |
Ki-67 index | 70% |
と書かれています。
乳がんの検査結果からさらに読み解く
組織学的波及度というのは、どのくらいがん細胞が浸潤しているか、ということです。
fというのは乳腺外脂肪に及ぶという意味で、私の場合、乳管内に進展があって、リンパ節や脈管に明らかな浸潤が見られない、となっています。
F | 乳腺外脂肪に及ぶもの |
G | 病巣が乳腺組織内にとどまっているもの |
S | 皮膚に及ぶもの |
P | 筋肉に及ぶもの |
W | 胸郭に及ぶもの |
リンパ節転移は、術中にセンチネルリンパ節生検を行って、その結果明らかな転移が見られなかったのでpN0となっています。
つまり、明らかな転移はしていなかった、ということになりますね。
その結果、StageⅡAとなっています。
乳がんの検査結果にある、「Receptor status」とは
Receptor statusというのは、ホルモンレセプターやHER2はどうなのか、という指標です。
ERはエストロゲンレセプター、PgRはプロゲステロンレセプターの略となっているんです。
パッと見ると、ER(0%),PgR(0%),HER2(-)と書かれていますよね。
これは、3つのものがマイナスなので、「トリプルネガティブ」というタイプ、ということがわかります。
トリプルネガティブについては、こちらに書かれてあります。
乳がんの検査結果にある、Ki-67(キー67、ケーアイ67)インディックス
Ki-67というのは、
だいたい30%以上で高い値と言われていますが、明確な基準はありませんし、先生によってはあまり重要視していない方もいらっしゃいます。
一般的にトリプルネガティブの場合、この値は高くなることが多いです。
乳がん組織学的分類とは
乳がん、といってもいろいろな種類があります。大きく分けて次の通りです。
・ 浸潤癌
・ Paget病
乳がん特殊型は情報が少ないことに悩む
特殊型の場合、乳がん全体の10%程度しかなる人がいません。
しかも私の「扁平上皮化生がん」は、全体の0.1%しかいないそうです。
つまり、乳がんになってしまった方の1000人に1人の割合です。
そのため全く情報が出てきません。
実際に先生にお伺いしたところ、先生自身今まで2人しか診断したことがないとか。
それほど特殊だったのです。調べても調べても、出てくるのは予後が悪いこと、人数が少ないことぐらいで、昔の報告書が少しあるのみです。
私の場合は、乳がんと知った時よりも、トリプルネガティブと知った時よりも、この「特殊型だった」という事実が分かった時の方が、大変ショックを受けましたね。
乳がんの治療を考える
先生のお話だと、乳がん扁平上皮化生がんの場合、抗がん剤の効果は乏しいそうです。
ただでさえ、トリプルネガティブで抗がん剤しか治療方法がないのに、その抗がん剤の効果は乏しいと言われてしまいました。
先生が今まで診た患者さんのお話を聞いてみたら、一人の方は高齢で抗がん剤を使用しなかった、もう一人の方は抗がん剤を使用した、ということでした。
そのため、
「どうするか、決めてください」
と言われてしまいました。
治療をどうするかは、最終的には患者さん本人が決めないといけません。
ですが、私の場合、最初の診断で、「Metaplastic carcinoma」という文字を目にしていたので、即答しました。
「ほんの少しの可能性しかなくても、抗がん剤を使用します。」
その話をうなずいて聞いておられた先生は、
「そうですね、まだ若いから抗がん剤を使用しましょう。最低限の4回で行っていきましょう」
とお話ししてくださいました。
つまり、抗がん剤を最低限4回使用することにしたのです。
最初の抗がん剤使用は、1週間後。
早い流れだな、と感じていました。