中学生や高校生になると、子どもが突然「ダイエットをしているから食べない」とか「ダイエットしたい」と言うことがありますね。
ダイエットは思春期の子どもが考えることの一つでもあります。
どちらかと言うと女の子が読む雑誌に多く掲載されていることから女子の方がダイエットの知識が多いことがありますが、男子もまた、きちんと痩せたい!と思うようです。
今回は子どもに「ダイエットしたい!」と子どもに言われたら親としてどう話したらいいのか考えてみたいと思います。
ダイエットの本当の意味、知っていますか?
まず、ダイエットと聞いて何をイメージしますか?
「痩せるための行動」
ということが思い浮かびますよね。
正しい意味は
「健康維持のための食事」です。
ここに、運動をしよう!という意味は含まれていません。
思春期の子どもにダイエットしたい!している!と言われたら
思春期の子どもからダイエット、という言葉が聞かれたら
「えー!身長伸びないよ。今が一番成長するんだからやめておきな」
とつい言ってしまいますよね。
ですが、頭ごなしに否定しないようにすることが大切。
身長が伸びない、月経が止まってしまう、ということは学校の保健の授業で習っていて、十分にわかっている可能性があるからです。
ですが、思春期の頃は、そういったリスクよりも美しい体になりたい、痩せてスタイル良く見せたい、という願望が強いです。
そのため、否定をするのではなくて、適切な体重を一緒に考えるようにします。
BMI値を知る
BMI値は適切な体重かどうかを判断する数値です。
指標 | 判定 |
18.5未満 | やせ型 |
18.5~25未満 | 普通 |
25以上 | 肥満 |
おそらく自分の体重を親には話しませんから、出し方の紙をそっと渡すのもいいですよね。
なお、このBMIの値が22の時、人間は病気になりにくい、と言われています。
男子の平均身長と体重は
平成30年の3月に発表された平成29年度の学校保健統計(学校保健統計調査報告書)によると、男子の平均身長と体重は以下の通りになります。
身長(cm) | 体重(kg) | |
中学1年生 | 152.8 | 44.0 |
中学2年生 | 160.0 | 49.0 |
中学3年生 | 165.3 | 53.9 |
高校1年生 | 168.2 | 58.9 |
高校2年生 | 169.9 | 60.6 |
高校3年生 | 170.6 | 62.6 |
女子の平均身長と体重は
女子の場合、身長の伸び率が高校生になると低くなってきます。
身長(cm) | 体重(kg) | |
中学1年生 | 151.8 | 43.6 |
中学2年生 | 154.9 | 47.2 |
中学3年生 | 156.5 | 50.0 |
高校1年生 | 157.1 | 51.6 |
高校2年生 | 157.6 | 52.6 |
高校3年生 | 157.8 | 53.0 |
参考:学校保健統計調査報告書
なお、ここ近年、体重も身長も平均値の推移は横ばい状態のようです。
思春期の子どもにとって標準の体重よりも体型が気になる
大人の場合、体重の値が気になりますよね。思春期の子どももそうなのですが、体重の値プラス、体型も気になるんです。
つまり、標準体重であってもお腹が少しポッコリしていれば気になり、なんとか痩せようと食べる量を減らすことを始めてしまうんです。
こんな時、
「そんなにお腹、出てないよ!」と声をかけても
「無責任なこと言わないで!」とかえってきます。
なので、
「こうすると、お腹の出具合が少しずつ改善していくよ!」と具体案を伝えてみます。
この時、正しい方法を伝えるようにしてください。
ダイエットを考える子どもに伝える4つのポイントは
ダイエットをするな!と言っても、はいわかりました、と素直に聞く年齢ではありません。
まずは、子どもの言葉に共感しそして具体的な話をする方が、すっと心の中に入っていくようです。
ポイント1・断食すると、甘いものが食べたくなる
人間は飢餓的な状態になると、生命を維持しようとエネルギーを蓄えます。
そして同時に甘いものが無性に食べたくなります。
甘いものやお菓子を食べる習慣がある場合、急にやめてしまうとストレスになることがあります。
まずは、1日の量を減らし、徐々に1日おき、3日おきにしていき、最終的に1週間に1回、というようにします。
するとここまで頑張ったから、という自信が出てきて次第にお菓子を食べてもそんなにおいしくないな、と思うようになります。
なお、「ゼロカロリー」であっても、人工甘味料が使われていることがあります。
ポイント2・筋肉量を増やす
ぽっこりお腹が気になる場合、食事を制限するだけではキレイな体型にはなれません。
やはりしっかり運動をすることが大切になります。
運動には無酸素運動と有酸素運動があり、ダイエットにむいているのは有酸素運動です。
有酸素運動は、脂肪酸を燃料としているので、体脂肪を減らすのにちょうどいいんです。
そして適度に筋肉がつくと、基礎代謝もあがり痩せやすい体へと変化していきます。
ウォーキングや水泳が有酸素運動となりますが、学生の場合これを毎日行うのはちょっと無理があります。
女の子であれば学校から帰ると暗くなっていることが多いので、防犯上も心配になりますよね。
家で簡単にできるのは、
・スクワット
・踏み台昇降
・エア縄跳び
…があります。
踏み台昇降は1日20分行うと、ウエスト部分が引き締まってきますし、エア縄跳びの場合は10分から30分程度で脂肪が燃焼し始めます。
好きな音楽を聴きながらでも良いですし、勉強の合間に行っても気分転換になって良いですよね!
もしくは、家族で一緒に行っても楽しいかもしれません!
ポイント3・朝食を抜くと痩せにくくなる
手っ取り早く行うのが「朝食抜き」や「夕食抜き」です。我が家においてもそういったことを行う息子がいます。
でもこれ、本当は逆効果。
朝抜いてしまうとエネルギーが不足してしまうので、体は生命維持を考え、より脂肪を蓄えようとしてしまいます。
そして食事と食事の間があいてしまうと、血糖値も上がりやすくなってしまうんです。
もし「朝、食べない」と言うようであれば、
少しご飯の量を減らして、その分野菜を多めにしたよ、とあえて炭水化物を減らした、ということをアピールしてみてください。
子どもは意外と野菜や炭水化物、という言葉に敏感です!
ポイント4・夜遅くまで起きていると太りやすくなる
中学生や高校生は部活や勉強などで、どうしても夜遅くまで起きています。
ですが、夜遅くまで起きているとホルモンに影響が出てくるんです。
「食欲」は「グレリン」と「レプチン」と呼ばれる2つのホルモンが関係しています。
「グレリン」は、胃から分泌され、「レプチン」は脂肪細胞から分泌されるのですが、睡眠時間が短くなると、空腹を感じる「グレリン」の分泌が増え、食欲を抑える「レプチン」の分泌量が減ってしまいます。
結果、食欲が増してしまい食べ過ぎたり、いつまでも満腹感を得ることができなくなってしまいます。
できれば、連続して7時間寝るのがベスト。
そうすると一晩で約300kcalほど消費することができます。
おわりに
ダイエットは、なんとなく大人が行うもので、子どもがやるものじゃない、という認識がありますよね。
ですが、ダイエットを正しく行うのは、大人であっても子どもであっても方法は同じです。
ただ、子どもの方が成長期であるため、体への影響が出やすいんです。
子どもがダイエットをしたいと言ってきた時には、家族の中で誰か一人、一緒に行う人がいると良いです。もしくは一緒に行わなくても、情報を共有する、ということが大切です。
「ちゃんと食べた後、スクワットをお風呂で5回やったら、お腹が引き締まってきたよ!」など、具体的なことを言うと、子どももその意見を参考にし、耳を傾け始めます。
急激なダイエットは摂食障害へと進んでしまう恐れもあるので、無理にダイエットを行っていないか注意して見守ることも大切ですね!