熱中症予防の飲み物で適しているものって?スポーツドリンクにも種類がある

日々の知りたいこと

夏だけでなく、夏以外の季節でも起こることが多い「熱中症」。

熱中症の予防には一般的にスポーツドリンクが良いと聞きますね。

このスポーツドリンク、経口補水液、アイソトニックそしてハイポトニックの3つに分かれていて、

それぞれ飲むと良いタイミングがあるんです。

アイソトニック飲料ハイポトニック飲料、そしてよく聞く経口補水液、いったいどのような特徴があるのでしょうか。

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良く飲むスポーツドリンク、熱中症にはどうなの?

アクエリアスやポカリスエットといったスポーツドリンクは、「アイソトニック飲料」と言います。

アイソトニック飲料は、血液や体液とほぼ同じ濃度の糖分と電解質を含んでいます。つまり浸透圧がほぼ同じという飲み物。

体液とほぼ同じなので、ゆっくりと吸収されていく特徴があり、作業前や運動前に飲むことで効果を上げていきます。

アイソトニック飲料のメリットは

アイソトニック飲料の特徴は、体液とほぼ同じ浸透圧という点です。これはあくまで安静時の浸透圧とほぼ同じということ。

つまり、

* 安静にしていると吸収が早い
* 糖分を含んでいるので、運動のエネルギー源になる

ということがメリットとしてあげられます。

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アイソトニック飲料と言われる飲み物は

アイソトニック飲料と言われる代表的なものは以下の通りです。

・ポカリスエット
・アクエリアス
・グリーンダカラ
・ビタミンウォーター
…など

ポカリスエットとアクエリアスを比べると、100mLあたり次のようになります。

商品名 ポカリスエット アクエリアス
カロリー 25kcal 19kcal
炭水化物 6.2g 4.7g
食塩相当量 0.12g 0.1g
カリウム 20mg 8mg
浸透圧(1本分) 286mOsm/L 290mOsm/L

 

安静時に飲むと良いということは、熱中症対策として考えた場合、激しく動いていない時に飲むと良い、ということになりますね。

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もう一つのスポーツドリンク、ハイポトニックとは

ハイポトニック飲料という名はあまりなじみがないかもしれませんね。

ハイポトニック飲料」は、体液や血液よりも低い濃度の糖分と電解質が含まれており、浸透圧が低い飲み物です。

 

体液よりも浸透圧が低いので、すぐに水分が必要な時や運動中や運動後に摂取すると効果的です。
よく聞く「経口補水液」もハイポトニック飲料の仲間ですが、経口補水液の場合、ナトリウム量が多いのが特徴となっています。

ハイポトニック飲料のメリットは

運動をしていたり、運動をした後は汗が大量に出て浸透圧が下がっている状態です。

ですので、

* 運動をして汗をかいている場合、速やかに体内に吸収される
* 糖分が少なくカロリーを気にしなくて済む

…ということがメリットとしてあげられます。

ハイポトニック飲料と言われる飲み物には

・アミノバイタル
・スーパーH2O
・塩JOYサポート
・ポストニックウォーター
…など
そして経口補水液も仲間ですので、
・OS-1
・アクアソリタ
なども含まれてきます。
経口補水液OS-1と塩JOYサポート 100mLあたりを比べてみます。
商品名 経口補水液OS-1 塩JOYサポート
カロリー 10kcal 0kcal
炭水化物 2.5g 0.7g
食塩相当量 0.292g 0.2g
カリウム 78mg 26mg
浸透圧(1本分) 270mOsm/L 100mOsm/L

このようになっています。

なお、人間の血液の浸透圧が約280mOsm/Lです。

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ハイポトニック飲料が無くても対処できる

厚生労働省によると、次のように記されています。

アイソトニック飲料として販売されているものであっても、うすめることでハイポトニック飲料として作業中や作業後に有効な飲み物になります。

粉末の場合は、1袋を2リットルの水で溶かすと良いでしょう。

参考:熱中症を防ごう

そういえば、子供たちが野球をやっている時、薄めて飲ませていましたね。

なんとなく伝統でやっているのかな、と思っていましたがこういった理由があったのです…。

ハイポトニック飲料の方が手に入れにくい感じがするので、アイソトニック飲料を薄めることで対処できるならば、さらに身近な飲み物で対処できそうです。

経口補水液の飲み方は注意が必要

厚生労働省でも経口補水液と冷たいみそ汁が最適、としていますが、経口補水液には飲み方があります。

経口補水液はもともと脱水症状の治療として、開発された経緯があるので、

乳児:体重1kgあたり30~50mL(g) /日
幼児:300~600mL(g) /日
学童から成人、高齢者:500~1000mL(g) /日

このように決められています。

塩分の量からしても、1本飲むと約1.5g摂取することになります。WHOでは、1日あたり5g以下を推奨しているので、がぶ飲みしてしまうと塩分の摂りすぎになってしまいます。

OS-1のホームページにも

・ 感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態
・ 高齢者の経口摂取不足による脱水状態
・ 過度の発汗による脱水状態

これらの軽度から中程度の脱水症状の時に飲むように記されているので、通常のスポーツ飲料のように飲まないようにしましょう。

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結局、熱中症には何がいいの?

熱中症対策の場合、

運動前…アイソトニック飲料
運動中と、運動後…ハイポトニック飲料(または薄めたアイソトニック飲料)
脱水症状が起きている場合…経口補水液

…と考えると良いでしょう。

武田コンシューマーヘルスケア株式会社
出典:武田コンシューマーヘルスケア株式会社

厚生労働省では、経口補水液、そして冷たいみそ汁が良いとしています。

そしてポカリスエットなどのアイソトニック飲料は、糖分が多く含まれていることがあるので飲みすぎに注意するようにと記載されています。

ただ水分を取るのではなく塩分も取ることが大切ですし、がぶ飲みをするのではなく、こまめに飲むこと、そして喉が渇く前に飲むことが大切になってきます。

 

* こちらの記事は各種飲料メーカー、厚生労働省「熱中症を防ごう Ver.2 160719版 」を参考にしています。